♪チャンミン劇場♪
□Monday*
1ページ/14ページ
「はぁ…、疲れた…」
思わず零れた声は風呂場に響いて自分の声が、いつもと違って聞こえた。
仕事が終わって宿舎に帰り着いたのは2時。日付は替わっていて、もう月曜になっていた。
今日はラジオの収録もあり朝6時起きだ。
寝れるのは2、3時間だな…
と、考えれば余計に疲れる。
浴槽に張ったお湯に肩まで浸かれば、一気に眠気が襲ってきた。
「チャンミン?」
突然の呼び掛けにビックリしてお湯が波打つ。
「何ですか?」
「ごめん、俺そこに指輪忘れてない?」
声の主はユチョンヒョンで、シャンプーの横に置いてない?と聞いてきた。
脱衣場と風呂場を繋ぐための扉はガラス張りになっているが、お互いが見えないように曇りガラスになっていてユチョンヒョンのシルエットが、ぼんやりと分かる程度だった。
「…チャンミン?」
困惑したような声で僕の名前を呼ぶユチョンヒョンは「寝てるの?」と付け足した。
「寝てません」と、眠そうな声で返しても説得力はなく「後ででいいや」と言ったユチョンヒョンの声は少し笑っていた。
遠のくユチョンヒョンのシルエットに少し寂しさを覚えながらお湯へと視線を変えると「のぼせるなよ。」と小さく聞こえた。
確かにボーっとするのは、眠いだけではないみたいだ。
湯船からあがると少々立ち眩みもする。
全裸で倒れて運ばれるのはやだなぁ…
なんて思いながら、シャンプーのボトルを一つ一つ移動させていくと、水に濡れて輝きを増しているシルバーのリングが目に入った。
あった!
ユチョンヒョンがいつも右の人差し指に填めている指輪。
何気なく左の薬指に入れてみると、すっぽり入りサイズはぴったりだった。
「どんなけ細いんだよ…」
ユチョンヒョンの人差し指と、僕の薬指のサイズが一緒だなんて…