隣のセンセ

□隣のセンセ。
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髪よしっ!


シャツよしっ!


ネクタイよしっ!


毎日チャンミンは玄関に置いてある鏡の前に立ち、登校前の身だしなみのチェックをする。

仕事で朝の早い両親。
二人の妹を見送った後、戸締まりや火の元を確認してから、マンションの家を出るチャンミン。

今日もいつもと変わらない日だと思っていた。





───── 誰も居ない部屋に「行ってきます」と小さな声で告げると、玄関の扉を開ける。
今日は晴れていてとても良い天気だ。
気持ちの良い日だなと思いながら、目を細めて空を見上げていると人の気配を感じ、視線を向けると最近隣の部屋に越してきたと言う芸能人の様に綺麗で格好良い男の人が、これまた女優さんのように綺麗で美人な男の人とキスをしていた。

高校2年生になったばかりのチャンミンには、朝からは刺激が強すぎて動くことが出来ずにただ呆然と二人を見ていた。


「それじゃぁ、またね、ユチョン!今度料理作ってあげるね♪」


女優さんのように綺麗で美人な男は、手を振りその場を駆け足で立ち去る。
"ユチョン"と呼ばれていた男、つまり隣の住人はまだ眠そうに目を擦り、自分の部屋に入ろうとした所で呆然としていたチャンミンと目があった。


「‥‥あ。」
「!!!」


突然男と目が合い、びっくりしたチャンミンはどうして良いのか分からず目が泳ぐ。





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