ジュンスは両手にユチョンの大好きなお菓子を持って事務所の廊下をバタバタと走っていた。 横切るスタッフみんなに軽く会釈をしながらユチョンの居る控え室と走る。 「ジュンス!」 大きな声でジュンスを呼んだジェジュンが両手を振って笑顔で迎えた控え室には、小さなソファーに丸くなって眠っているユチョンが居た。 「一足遅かったか…」 「うん…、ジュンス来るの待ってたけど限界来ちゃって眠っちゃったの…」 苦笑いしながら横目でジュンスを見詰めるジェジュンは、ペロッと舌を出した。 ジュンスはユチョンの寝顔を見つめながら両手一杯のお菓子を近くにあったテーブルに置いた。 不服そうな顔を浮かべたジュンスは、ユチョンが眠っているソファーの肘掛けに軽く腰掛けた。 ジェジュンは、そんなジュンスの姿を見て、一つ溜め息を落とし控え室を出て行った。 ジュンスをユチョンと二人っきりにしてあげたくてジェジュンの小さな気遣いだった。 「僕…ユチョンの為にめちゃくちゃ走ってきたんだからな…」 小さく呟いたジュンスは、軽く手を伸ばし眠っているユチョンのフワフワな髪に触った。 すると、眠っていると思っていたユチョンが、ジュンスの腕を掴み自分の方へと引っ張った。バランスを崩したジュンスはユチョンの上に覆い被さるようにして倒れた。 「…いっ、たぁ〜…」 ぶつかった箇所をさすりながらユチョンの顔に目を向けるとユチョンはニヤリと笑った。 「ユチョン!」 意地悪く笑ったユチョンは、ジュンスを力強く抱きしめて 「ジュンスの声おっきいんだもん。目覚めちゃったよぉ〜」 そう言うと、ふてくされた顔をしたジュンスが 「んン…、苦しいんですケド…」 と顔を背けた。 小さなソファーに男二人はあまりにもキツ過ぎたが、ユチョンにとっては最高の場所だった。 鼻から大きく息を吸い込むと口から息を吐き出した。 「あぁ…、ジュンスの匂いがする…いい匂い…」 そう言ってまた息を吸い込んだユチョンの顔は幸せに満ちていた。 ユチョンに心地よく抱き締められたジュンスはソファーとの間に出来た隙間に手を入れ、ユチョンの背中に腕を回し自らもユチョンに抱きついた。 トクントクンとユチョンの心臓の音を耳に、ジュンスは大きく息を吸い込んだ。 このまま時間が止まることを願いながらジュンスは目を閉じユチョンの鼓動の音を感じていた。 =END= ………………………………… あとがき● ┗久しぶりの小説なんで、終わり方判んなくなって、無理矢理終わらせました(笑) |