♪ユス劇場♪

□コンビニエンスストア
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「いらっしゃいませぇ」

いつもと変わらない平凡な毎日。

だけど夜の22時になるとあの人がこのコンビニに来る。

仕事帰りだと思うんだけど、スーツを着てお弁当や、おにぎりを買って帰る。

この前、ネームストラップを首から下げてお弁当を買いに来たことがあるんだけど‥
きっと残業でお弁当を買ってまた会社に戻ったんじゃないかと僕は推測してるんだけど‥‥
ネームストラップには『パク・ユチョン』って書いてあって、密かにメモした。


あと1分‥

あと30秒‥

22時前になると時計を見て、そわそわしてしまう。

22時!!!

「いらっしゃいませ!!」

お客さんが入ってきて、僕は元気良く挨拶したけど‥‥

あの人じゃない。

背が高くてフワフワした髪の優しい笑顔のあの人。
レジの時だけ交わす言葉「ありがとう」と言う声は低くて色っぽい。

雨の日も風の日も欠かさず毎日くるのに‥‥
仕事が忙しいのかな?

だけど僕が上がる時間になってもあの人は来なかった‥‥

0時になって僕はバイトを終えた。
0時からバイトのチャンミンと「お疲れ様」と挨拶した僕は裏口ではなく、お店の方から外に出た。
車のライトや街灯で夜中とは思えないほど外は明るい。

「はぁ‥‥」

あの人に会えなかった寂しさで元気が出ない僕に、誰かが話しかけてきた。

「あのっ‥‥」

振り向くと、僕が会いたいと思っていた顔が目に映り込んだ。
あの人がそこに立っていた!!

呼び止められた僕の胸はドキドキと鳴ってうるさい。

「あの‥‥」
「はっ、はいっ!!」

お互いに緊張しててなかなか会話が進まない。
だから余計にドキドキがうるさく聞こえる。

「あのぉ‥良かったらお友達になってください」

思ってもみなかった言葉。

でも密かに僕が望んでいた事。

彼の事をもっと良く知りたいと願っていた。

嬉しさのあまり僕は彼に抱きついて「よろしくお願いします!」と叫んでいた。

そんな彼はいつもの優しい笑顔で僕を見つめてくれた。

でも、少し照れているように見えて僕の胸がキュンとした。



END ――――――――――


ちょっとベタすぎた?
憧れるシチュエーションの一つです(笑)


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