Thanks BOOK

□一方通行
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最近チャンミンの様子がおかしい。

仕事が終わって、家に帰ってもずっと携帯離さないし…
緩んだ顔してメールばかりしてる。

休みの日は朝早く出掛けて、夜遅くに帰って来る。

そんなチャンミンの姿を見てジェジュンヒョンはこう言う。


「彼女出来たんじゃない?」


俺の胸がチクリと痛んだ。

チクリ?

いや、グサリと何かが刺さった。

俺は痛い胸を摩りながらメールしてるチャンミンに問い掛ける。


「ねぇ、チャンミン…」

「何ですか?ユチョンヒョン」

「彼女出来たの?」


携帯のボタンを打っていたチャンミンの手が止まった。

俺は耳まで真っ赤になったチャンミンを見逃さなかった。

少し潤んだ瞳がたまらなく欲望を掻き立てる。


「誰から聞いたんですか?」


恥ずかしそうなチャンミンの表情に見とれてしまう。

あーぁ

そうなんだ…

ホントに彼女出来たんだ…


今度は鈍器で頭を殴られたような衝撃が俺を襲う。


「ん〜…」

「どうせまたジェジュンヒョンですか?」

「ん〜…」

「今度食事に行くんです。ユチョンヒョンが"美味しい"と勧めてくれたあのお店に行こうと思ってるんですよ。」


うん。

あのお店は本当に美味しいんだ。
家庭的な味で、俺と味覚が似ているチャンミンなら、絶対に気に入ると思って教えた店。

チャンミンと2人だけで行きたかった店

彼女の為に教えた店なんかじゃないのに…

チャンミンは…
俺とじゃなく、その子と行くんだね。


「あんまり遅くなるなよっ」

「ふふっ分かってますよ」


幸せそうに笑うチャンミンの横顔をただ眺めているだけで涙が出そうになった。


"俺はチャンミンが好き"


口にはしないけど心で叫ぶ。


いつか
この気持ちがチャンミンに届くように。


今はただ、見守るだけ。



≡END≡




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