さんぽ道 no.1 --------------- 暑くて暑くて干からびてしまいそう。 チャンミンと繋いでいる掌が汗ばんでいる。 「あっちぃ〜」 「暑いですね〜どこかで休憩しましょう」 そう言って俺の手を引いたチャンミンが向かった休憩場所は… ラブホ!? 「ちょっ!チャンミン!?」 「ん?どうしました?ユチョン?」 ホテル街に入って行こうとするチャンミンは、すっとぼけ顔。 「暑い日に運動して汗流すのが、良いんですよ」と、言いそうなチャンミンは俺の顔を見た後に少し間があってから、しかめた顔で「何ですか?」と言った。 ホテル街に入って行こうとするチャンミンの手を引き留めた理由を聞きたがっている様子だ。 「…だ、だからね…。」 ゴニョゴニョと口ごもっている俺の手を引いて「暑いんで急ぎますよ!!」俺の話なんかハナッから聞いてないチャンミンはグイグイ引っ張る。 誰かに見られないだろうか? 俺は繋いでない方の手で顔を隠しながらチャンミンの後を着いていく。 幸い通りには誰一人として居なかったが、「もしも」を考えるとビクビクしてしまう。 ひーん!!早くどこでも良いからホテルに入ってよぉ!!! 誰かに見られる前にホテルに入りたい俺は、チャンミンの背中を自分の肩で押して、歩いている足を早めるよう促した。 それに気付いたのか肩越しにこちらを覗くチャンミンの顔は、何か言いたそう。 はぁ、と溜め息をついたチャンミンの下がった眉と反して綺麗な二重の目は優しく微笑んで俺を見つめている。 俺は知ってるんだ。 こんな顔をする時のチャンミンは、嬉しさを隠そうとしているとき。 眉を下げて困った顔してるように見えるけど、ホントは嬉しくてしょうがないんだ。 チャンミン本人が言った訳じゃないし、誰からか聞いたわけでもないけど、きっと俺と一緒に居れることが嬉しいんだと思う。 何でこんなに自信持って言えるかなんて、簡単な事。 俺がそうだから。 俺がチャンミンと一緒に居れて嬉しいから。 幸せだから。 だから、きっとチャンミンも俺と同じ気持ちたと思う。 じゃなきゃあんな顔するわけないし…。 誰もが見とれてしまうその表情に釘付けになっていると、顔をフイっと前に向けたチャンミンは「急ぎますよ」と一言いった。 チャンミンはご自慢の長い足を更に長く、歩幅を大きくして歩き始めた。 俺はそれに着いていくのに必死で、少し小走りになってしまう |