さんぽ道 no.2 --------------- 繋いでいる手は汗で蒸れてジトジトしているように感じる。 そんなこと気にせず真っ直ぐ歩いていくと車一台ぐらいしか通れない程のとても狭い裏通りへと突き当たり、いつの間にかホテル街を抜けていた。 その裏道はさっきのホテル街とは違い、人がちらほら見える。 何人かは俺とチャンミンが手を繋いでる事に気づいて驚いた顔や、見て見ぬふりをする人もいた。 それにチャンミンも気付いたのか、繋いでいる俺の手を強く握りしめてくれた。 それが恥ずかしくもあり、嬉しくもあり、照れくさくもあった。 裏道を暫く歩いていると何処からか学校のチャイムが鳴った。 キョロキョロと辺りを見渡していると今度は子供たちの遊ぶ声が聞こえてきた。 きっと近くに小学校があるんだろう。 こんなトコに休憩する場所なんかあるんだろうか? 疑問が浮かんだ所でチャンミンが立ち止まった。 「着きました」 そう言って俺の方を振り向いたチャンミンの前方には大きな木が生い茂り、都内に小さな林があることに驚いた。 「こ…こ?」 「そうですよ。」 当たり前のように林の中に入って行くチャンミンに引っ張られ驚きを隠せない俺は目を丸くして木でできたトンネルを潜っていく。 するとその先には広場が見えた。 薄暗い所から出た広場は明るくて眩しかった。 その明るさに目が慣れてきた頃、チャンミンが居ないことに気付いた。 「あれ?チャンミン?」 チャンミンを探そうと辺りを見渡すと、足元を小さい子供が駆けて行った。 その子が駆けて行った方を目で追っていくと、ワゴン車で販売しているクレープ屋さんが一台止まっていた。 そのワゴン車の周りには小さい子供やカップルなど人が沢山居た。 その人だかりの中に一際背が高く目立っている人物を発見してしまった。 それがすぐチャンミンだと気付く。 やっぱり食べ物には目がないチャンミンは足元を彷徨いている子供よりも子供の顔してクレープを注文していた。 |