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□愛されすぎて死ぬ前に
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「なあおっさん。おっさんは俺のどこが好きなんだ?」

ふと思った。
彼は情事中に愛してるとは言うが好きだと言われたことがない。とあるやつに言わせれば逆より良いと言われたが、それもどうなんだ。

「どこが、っていわれてもねえ」
「なんだよ。言葉だけってか?」

肌に擦れる布団がむずむずする。曖昧な返事がむず痒い。ちゃんと言葉にしてよ。

「なんてゆうかねえ…。………あー!!」

なんだなんだ。急に黙ったかと思ったら叫びやがって。
こっそり悪態を付きながら耳を押さえていたら手をはがされた。

「ああ?」
「わかったわかった!あれだよ、えーと…。その、……あー」

なんだか言いにくそうにポリポリ顔を掻いている。なにがそんなに言いにくいんだ。言えないようなことなのか?
わかってねえじゃねえかっていったら怒られた。わかってないことはないらしい。
はっきりしてくれ、全く。

「…はっきりいえば?」
「……いいの?」

なんだこのおっさん、対応がめんどくさいな。上目遣いで見てくるな気持ち悪い。
無言でコクリと頷く。なんでもいいから早く理由が知りたかった。

「……顔とか性格とかは当たり前なんだけど、一番はおっさんとの相性なんだよね。もー青年の中とか堪らないね。あれは気持ちいいよ?あとね青年の痛みに歪んだ顔とか気持ち良さそうな声もいいよねえ。俺様が我慢して聞き入りたくなるくらい。そりゃあもちろん普段の青年も戦ってる青年もいいんだけどね?ああ料理してる青年もいいよね。好物が甘いものとか意外だよねえ、結構家庭的だしさあ、ギャップ萌えってやつ?でも一番はやっぱり俺様のこと考えて俺様の腕の中にいるときなんだよねえ。まあ要するに全部だね」

にこりと満足げに笑っている。
ああそうだ。
この人はこういう憎たらしい性格だったよ。忘れてたよ。

「…腹立たしい」

ああむかつく。俺以上じゃねえか。

「え?なんかいった?」
「いや、なんにも」

いつになったら俺はおっさんの全てを愛せるんだろう。憎らしいとことか俺が勝てないとことか。

「じゃあもう1ラウンドお願い、せーねん」
「…っ!」

勝てる訳ねえか。
だってこんなに好かれてて愛されてるんだから。





愛されすぎて死ぬ前に

(結局好きとは言われなかったな…)










好きっていうのはレイブンにとって軽い言葉で
わざと重たいっぽく愛してるとしか言わない…みたいなことが書きたかった
あるやつっていうのは一応フレンです
好きしか言わないのはエステル…でいいかな?←
 

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