dangerous mind
□第一章
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―2003年 春
高校入学の朝
俺はユチョンと高校へ向かった。
俺ん家からあいつん家まではそう遠くない。
というか走ったら5分もかからない。
ちょうど学校へ行く道の途中にあいつの家があるので
俺たちはあいつのマンションの前で落ち合った。
いつものように他愛もない会話をしつつ
高校へと向かう。
高校に近づくほど
同じ学校の生徒らしき人が増えた。
「なんか…緊張するね」
俺がそう言うと
ユチョンはフッと笑って「そうか?」と答えた。
いつもユチョンはそうだ。
俺の緊張をあっと言う間に取り払ってしまう。
退屈な入学式を終えると
先生に誘導され、教室へと向かった。
体育館を出ると
2,3年生が新入生見たさに殺到していた。
そりゃあもうもんのすごい数で。
さっそくかわいい子を見つけてる人や
部活勧誘をする人…
はっきりいってこういう騒がしいのは得意ではないので思わず俺は顔をしかめた。
都合が良いことにユチョンも同じ気持ちだったらしく
暗黙の了解で俺たちは人混みから外れた。