世界樹
□強引
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「…近寄んないで」
「何故だ」
「いいから。来ないでよね」
眉間にシワを作る金髪青目ショーグンから私は距離を取った。
「おい、何を見ている」
「見たら分かんでしょ。本よ、本」
「……何の本を読んでいる」
「………」
スッ、と本の表紙側をコイツに見せる。
「ほう、お前が真面目に小説とはな」
「悪い?私だってこのぐらい読むわよ」
「いや、意外だっただけだ」
クスッと笑うコイツに余裕が見えてムカつく。
「“逃げようなんて無駄だ…。お前は既に俺の手中だ”」
「ちょっ、隣に来ないでよ!」
「随分強引な男だな。お前、コイツが良いのか?」
「は!?」
ずいずいと近寄って来るコイツを防ごうと腕をつっかい棒にしてにらむ。
「別に、主人公に感情移入してるから格好良く思えるだけよ」
「なら、俺もやってやろうか?ホラ、もうお前は俺のモノだ」
「な…っ」
本をどけられ、つっかい棒にしていた腕を逆に引き寄せられ、もう私はコイツの腕の中。
つっかい棒意味なかったわね…。
「強引にしてみたが」
「恥ずかしいならやめなさいよ!」
「いや、悪くない」
コイツの神経をちょっと疑うわ…。私を抱きしめたままの腕の力は緩めないし更には耳元でくつくつと笑っている。きっと頭おかしいのよ!
「いつも強気のお前の違った顔が見れて面白い。とりあえずお前は俺のモノだ」
「やめてよこっ恥ずかしい!」
「クジュラさーん、あの、書類ー……聞いてませんね…」
―――
衛兵も困っちゃうゾ☆←
クジュラ×ツンデレプリンセスが書きたくなっただけですウフフ
11.06.09