捧げ物
□俺だけの恋人。
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「よぅ、千歳っ!!」
バシッと背中を叩かれ、挨拶する友達。
「お、おはようばい。」
ジンジンと痛みを伴っている背中を擦りながら、言う。
「なぁ、千歳って彼女おるんか??」
「…あぁ、いるとよ。」
彼女ではないが、恋人がいるのは確かだ。
「まじかよ!!なぁ、その子の写メとかあるん??」
遠慮もなく聞いてくるから、どぅしょうもない。
俺は、携帯を開き友達に恋人の写真を見せた。
「うわっ、ほんま美人やん!!会ってみたいわぁ〜。その子と会うことできるん??」
「できるとよ。だけん、一緒に住んどるたい。」
「ほな、授業終わったら行くでぇ!!!」
―え?
俺ん家に来る??
別に家に来ることは反対ではない。
でも、蔵―恋人と会わすのは自分にしたら嫌でしょうがないのだ。
その友達は彼女がいないから、蔵に一目惚れされたら、たまったもんじゃない。
「で、本当に来ると??」
「何言っとるん!!行くに決まっとるやん!!綺麗な彼女拝むんやぁっ!!」
そぅ気合いを入れていた。
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