水素タンク
□水素タンク(3)
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* 新技術の説明
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新開発の高圧水素タンクは、内部タンクを強化繊維FRPで補強するとき、加熱オーブン、熱
発泡性樹脂による内部圧力デバイスおよび外型枠という機械的反力を利用する装置を使用する。
この方式による特長は次のとおり。
1.上図FIG-1に示すように、内部圧力デバイス方式は大気圧の加熱オーブンを使用する。加
熱オーブンは隔壁に強度を必要としないためオートクレーブに比べて格段に安価である。内
容積もオートクレーブより大きい。
2.内部圧力デバイス方式は、FRP内部シェルを同じくFRPの外部シェルが保護するとい
った、2重タンクを一体製造することが可能である。オートクレーブでは2重タンクを製造
することが難しい。
3.2重タンクと内部圧力方式の利点は次のとおり。
(1)2重タンクの内部シェルは高圧水素を保持し、外部シェルは外部衝撃荷重から高圧タ
ンクを保護する。2重タンクとすることで安全性が高まる。
(2)内部圧力方式では、内部シェルの強化繊維FRPは内部タンクの圧力と熱発泡性樹脂
の膨張圧力の両方で強固に圧着される。このようにして作った構造部材は、山梨県工業
技術センターで測定可能最大値の30トンを完全にクリアした。コンクリートなみの強度
である。
4.内部圧力方式は、弊社が開発中の内部シェルと外部シェルのような2重タンクを製造する
ことができる。次にその理由を説明する。
(1)FIG-1に示すように、弊社の製造方法は、プラスチック製の内部タンクを強化繊維F
RPプリプレグで補強した後、補強した強化繊維FRPをタンク内部に入れてあるアル
コールや水などの内部蒸気圧力で加圧すると同時に補強FRPプリプレグを熱発泡製樹
脂で加圧する。こうすることで強化繊維FRPをタンク内部の膨張圧力と熱発泡性樹脂
の両方で強固に加圧できる。どちらか一方の圧力では壁面の強度が出ない。
(2)外部衝撃荷重から内部タンクを保護する外部シェルは、熱発泡性樹脂の内部圧力と外
型枠との機械的反力で強固に圧着される。
(3)空気圧力を使用するオートクレーブでは熱発泡性樹脂の部分に、内部圧力が発生しな
い。従って、2重タンクは製造困難である。また弊社の開発した熱発泡性樹脂と外型枠
でつくる機械的圧力は、オートクレーブの空気式圧力に比べて格段に安価で制御しやす
い。
(4)この2重タンク方式の構造強度は非常に優れていることが計測されている。
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* 車載用水素タンク
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燃料電池自動車用車載タンクの試作設計をしてみた。基本スペックは次のとおり。
1.水素タンク耐圧 :750気圧
2.内部タンク
(1)単体タンク容量 : 18.46リットル
(2)単体タンク寸法 : 内径φ170mm,全長:870mm
(3)内部タンクの補強厚 : 10.0mm
(4)外部シェル補強厚 : 11.4mm
3.水素タンク総体
(1)タンク本数 : 5本
(2)総タンク容量 : 92リットル
(3)タンク寸法 : 528×716×970mm
(4)タンク全長(予想) : 1134mm
新技術で製造する高圧タンクは圧力デバイスを熱発泡性樹脂で製造することによって、円筒形
の内部タンクを6角形のハニカム形状に配置することが可能となると考えられる。このことによ
るメリットは次のとおり。
1.単体タンクをハニカム形状に配置することで、多数のタンクを「一体成型」することがで
きる。従って、タンク配置のスペーシング効率を高めることが可能である。
2.発泡樹脂の圧力デバイスをFRPプリプレグで補強することで、2重タンクの集合体とす
ることができる。従って、外部衝撃荷重に対する構造強度を補強することが可能になる。
3.単体タンクの長さ方向に製造上の制約は少ない。従ってタンク容量を任意に増減させるこ
とが可能になる。
4.タンク集合体の形状は直方体となる。従って、水素タンクの固定方法が容易になる。
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