BL 短編
□離れて行かないで…
4ページ/5ページ
「あー……腰いてぇし」
「すみませーん。激し過ぎました?」
「全く……あ、マーモン」
フラン達は談話室に向かうため廊下を歩いていた。そこでバッタリとマーモンに出会した。
「ベル、探してたのに…何処に行ってたんだい?」
フランの方には目もくれず、ベルに近付いて来て、ベルの腕を掴もうとした。フランはマーモンの手がベルに触れる前にその手をパシッと叩き落とした。
「いったー…君、何するんだ」
マーモンは初めてフランの方に視線を向けた。
「何って?叩き落としたんですけどー」
「…………あ、でさぁベル」
またベルの方に視線を戻して話を続けようとした。
フランはベルの前に立ち、マーモンとベルの間を阻む。
「貴方、一体何なんですかー?勝手に人の恋人に近付かないでくださーい」
「…君こそ何なの?」
「ミーはベルセンパイの恋人ですー。貴方、ベルセンパイの何だって云うんですー?」
そう言うと、マーモンは口ごもって、下を俯いてしまった。
「……ベル、は僕のだったんだよ」
「“だった"って事は過去形ですよねー?元に今のベルセンパイの恋人はミーですよ」
「……ぅるさい!君が現れたからベルは変わってしまったんだ!」
マーモンの表情はフードですっぽり隠れてて分からないが、恐らくフランを睨んでいるんだろう。
「ぜーったい、ベルを奪い返すから!見てろよっ!」
最後にマーモンはそう言ってフラン達の前から姿を消した。
「……何だったんですかー?あの人……」
フランがそう言うと、ベルはハァとため息を吐く。
「……これからの事考えると、頭いてぇ」
ベルは頭の痛い仕草をした。
フランはそんなベルに後ろから抱きついた。
「だぁーい丈夫ですよー、ベルセンパイ。もしもの事があったら、ミーがセンパイを守りますー」
「…………まぁ、そん時はよろしく頼むぜ。フラン」
「勿論ですー」
そして2人は唇を重ねあった。