BL 短編

□離れて行かないで…
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「あー……腰いてぇし」
「すみませーん。激し過ぎました?」
「全く……あ、マーモン」

フラン達は談話室に向かうため廊下を歩いていた。そこでバッタリとマーモンに出会した。

「ベル、探してたのに…何処に行ってたんだい?」

フランの方には目もくれず、ベルに近付いて来て、ベルの腕を掴もうとした。フランはマーモンの手がベルに触れる前にその手をパシッと叩き落とした。

「いったー…君、何するんだ」

マーモンは初めてフランの方に視線を向けた。

「何って?叩き落としたんですけどー」
「…………あ、でさぁベル」

またベルの方に視線を戻して話を続けようとした。
フランはベルの前に立ち、マーモンとベルの間を阻む。

「貴方、一体何なんですかー?勝手に人の恋人に近付かないでくださーい」
「…君こそ何なの?」
「ミーはベルセンパイの恋人ですー。貴方、ベルセンパイの何だって云うんですー?」

そう言うと、マーモンは口ごもって、下を俯いてしまった。

「……ベル、は僕のだったんだよ」
「“だった"って事は過去形ですよねー?元に今のベルセンパイの恋人はミーですよ」
「……ぅるさい!君が現れたからベルは変わってしまったんだ!」

マーモンの表情はフードですっぽり隠れてて分からないが、恐らくフランを睨んでいるんだろう。

「ぜーったい、ベルを奪い返すから!見てろよっ!」

最後にマーモンはそう言ってフラン達の前から姿を消した。







「……何だったんですかー?あの人……」

フランがそう言うと、ベルはハァとため息を吐く。

「……これからの事考えると、頭いてぇ」

ベルは頭の痛い仕草をした。
フランはそんなベルに後ろから抱きついた。

「だぁーい丈夫ですよー、ベルセンパイ。もしもの事があったら、ミーがセンパイを守りますー」
「…………まぁ、そん時はよろしく頼むぜ。フラン」
「勿論ですー」


そして2人は唇を重ねあった。
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