BL 短編

□Proteggo…
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今夜はヴァリアー全体でSランクの任務を実行すること…。割りと危険な仕事で…一瞬、油断したら死ぬだろう。
今、三手に分かれ戦っている。
ボスは作戦隊長と。
変態クジャクオカマは変態雷オヤジと。
そして、ミーは恋人であるベルセンパイと。
戦ってるんだけど…敵がわんさか居て、キリが無いでーす…。


バシュッ!


フランが相手した奴の身体から勢いよく血が飛び、フランの顔、隊服につく。

(チッ…血くさー…)

「おいっ、大丈夫か!?」

ベルセンパイが戦いながらミーに訊く。

「大丈ー夫でーす」

ミーは余裕風に笑ってみせた。ベルセンパイがホッとしたように、ミーを見て微笑んだ。
――すると、ベルセンパイの背後に…。

「ベルセンパイッ!!」
「ん?」

ミーはドンッと前に飛び出し、ベルセンパイの背後に回った。


ドンッ


「……っく」
「……フッ、フラン!!」

フランの身体が揺れ、膝が崩れる。

前方5メートル先に手に銃を持った男が立っていた。その男はベルが相手したのだか、辛うじて生きていた様で血だらけだし、足元だって全然覚束なかった。
ベルはその男に20〜30本のナイフを投げ、殺した。







「フランッ!!おい…っ」
「ベ…ル、センパ…ミーは…っ」
「喋んなっ!血が…っ」
「う…ゴホッ」
「あぁっ!」

血を吐くフラン。
ベルは優しく上半身を抱える。
フランの息が荒い。
撃たれた場所は、急所をかすめていた。どんどん血が溢れてくる。

「っ、今医療班を…」
「センパイ…ミーは…」
「喋んなっ!」


耳を傾けないベルの頭を掴んで、耳元でフランはこう言った。


――Io amo seniors per sempre.


ベルは驚いた顔をして、こう返してくれた。


――Io l'amo anche…Fran.


フランはベルの言葉を聞いて、微笑んだ。今まで見たことの無い微笑み方だった。

フランは最後の力を振り絞って、少しだけ身体を起こし、ベルの唇にキスをした。触れるだけのキス。

「センパイ…ずっと愛してます」

そう言ってフランは瞼を閉じた。ベルがどんなに呼び掛けてもその瞼が、開くことはなかった。


「フランんん〜!!わあぁぁぁっ!!」

ベルは横たわっているフランの胸に顔を埋めて泣き叫んだ。







(センパーイ、見えなくたってミーはベルセンパイの傍にいますよー)(センパイはミーの分まで生きるんです)(こんな形だけど…センパイを守れて良かったでーす)
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