BL 短編
□一緒
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オレはフランの部屋をノックせずにそのまま入る。
「おーい、カエル今から任務だってよー」
フランはうたた寝していたらしく、ソファーで横になっていた身体を起こし、オレを見るなり機嫌悪そうな表情をした。
「…なに、センパイ勝手にミーの部屋に入ってんですかー?」
「無防備過ぎんだよ。嫌なら、鍵かけとけ」
「んなことしたって、どうせ無駄でしょう?センパイ、鍵ぶっ壊すからー」
フランは欠伸をして、また視線をオレに向ける。
「……で?用件は何ですかー?」
「あぁ、任務だぜ。早く支度しろ」
「はー?また、ベルセンパイとですかー?」
こういうこと言われると、なんかムカつく。何だよ、折角呼びに来てやったのに。
「何でいっつもベルセンパイと一緒何ですかー?」
「んなの知るかよっ、ごちゃごちゃ言ってねーで早くしろ」
ハイハイ、と憎たらしく言うフラン。ムカつく…けど。
フランがまた一緒?と言ったのは、最近の任務がずっとオレと一緒だからだ。
……何故一緒かというと、オレがスクアーロ作戦隊長に頼み込んだからだ。
「フランの任務の同行は全部、王子にしといて」と。勿論、最初はスクアーロも「何言ってんだぁ、んなの無理に決まってんだろぉ」と、言っていた。だけど、オレはスクアーロの弱点をこっそりと握っていたから、それをわざとスクアーロの耳元で言ってやった。
「じゃあ、スクアーロがこないだの任務ん時、無理矢理とはいえボス以外の人とキスしてたこと……言っていーんだ?」
そう脅すと、スクアーロは顔を青ざめて首を横にぶんぶん振った。(ちなみにスクアーロは随分前から、ボスとデキてんだ)
「わ、分かったから…殆どは回してやる……だが、フランしか出来ねー任務だったら同行無しだぜ」
「ラジャー♪サンキュー、スクアーロ」
……ということで、大体の任務はフランと一緒なのだ。……何故一緒なのかは、オレがフランを好きになったから。だから、いつまでも何処に居てもお前と一緒に居たいんだよ。
「行くぞ、フラン」
「はーい」
2人は任務地に向かう為、部屋を後にした。
――ホントは、ミーもベルセンパイとずっと一緒に居たいんですよー。でも、意地っ張りで素直なんかじゃないから、センパイの前じゃ絶対そういうこと言いませんけどねー。