BL 短編
□私だけ。。。
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今日はミーとルッスーリア先輩とレヴィさんとそして堕王子こと、ベル先輩と食事に行くことになった。
スクアーロ作戦隊長とボスは2人で何処かに出掛けた。
じゃあ、たまには外で食べましょうと、提案したのはルッスーリア先輩。お金はルッスーリア先輩が出してくれる様で、ミーは一円も出したくなかったから、奢ってくれるということで、一緒に食事することにした。
待ち合わせ時間丁度。
待ち合わせ場所には、既にルッスーリア先輩とレヴィさんが来ているというのに、ベル先輩はまだ姿が見えない。
「なーにやってるんですかねー?あンの堕王子」
「む…本当にベルは何をやっているのだ?」
フランに続いてレヴィが言う。
「まぁまぁ、2人とも。そのうち来るわよ」
ルッスーリアがイライラし始めてるフランとレヴィを宥める。
「そういえば…今日はフランちゃん、カエルの被り物被ってないのね」
ルッスーリアがフランの頭を指差して言う。
「はいー。街の中で被ってちゃ可笑しいでしょー?アレ、ベル先輩が無理矢理被せたモノですしー」
「ベルちゃん…マーモンのこと、忘れられないのね…」
ルッスーリアがふぅと息を吐く。
フランはマーモンがどういう人物か全く知らない。聞かないから教えてくれない。でも、時々ベルがフランとマーモンを比べることがある。フランはそれがすごく嫌でその時は本気でベルに殺意が芽生える。
マーモンの生態は知らないが、ベルとはすごく仲が良いってのは、聞いたことがある。知ってるのは、それだけで他は全然知らないのだ。
「ルッスーリア先輩、そのベル先輩とマーモンって人は…どんな関係だったんですかー?」
想像している答えが返ってきたとしたら、今日はベルと顔合わせ出来ない。きっと泣いてしまうだろう。
「ん?仲の良い友達って感じかしら。マーモンってね、アルコバレーノの1人でね…」
「えっ、アルコバレーノ!?……ヴァリアーに入ってたんですかー」
ルッスーリアは懐かしいのか、フッと笑い続ける。
「そうよ。マーモンはベルちゃんのお世話係って感じでね。マーモン、赤ん坊の姿なんだけど、どっちが子供かしらって思う時があったわー」
フランは「そうだったんですかー」と、適当に相槌を打った。
10年前のベル先輩、子供子供だったんですねー。今だって子供みたいだし…。
ルッスーリアは、マーモンが死んだとき、一番悲しんだのはベルだと言った。フランは一瞬目を見開いた。悲しくなって下を俯く。
その後続いて、ベルちゃんに笑顔が戻ってきたのはフランちゃんのおかげよ、と言った。
……ミーのおかげですかー?
無論そんなことは口にしなかった。
「あ、ベル先輩…」
ふと前方を見ると、跳ねた金髪の頭にティアラをのっけたベルがやって来た。