BL 短編

□貴方が…
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「なに、捨て子?」

万事屋の旦那こと坂田銀時が妙な事を言った。

「あぁ。家の前に捨てられててな、びっくりしたよー」

捨て子…は別にどうだっていい。俺にその子を頼むと言い出した。

「冗談よしてくだせェ、旦那」

俺はつけていたアイマスクを外し、捨て子だと云う赤ん坊を見た。見た瞬間…俺は動揺した。旦那に動揺がバレないよう平静を装った。動揺した理由は…その捨て子だと云う赤ん坊があまりにも旦那にそっくりだったからだ。

「…こ、この坊主、旦那にクリソツじゃありやせんか…」

特にこの死んだ目なんて瓜二つだ、と付け加えた。旦那には、知らねーの?最近のガキはみんなそーなんだよ、と言われた。
…知る訳がない。真選組内では恋愛は禁止されてるし、彼女なんていた事もない。とゆーか…俺には…。

「…旦那、自分で蒔いた種は自分で何とかしろって奴ですよ。俺も公務に忙しいんで、この話はこれで…」

再び、眠りにつこうとしてアイマスクをつけ、横になった時…。

ダッパーン!

旦那に身体を持ち上げられ、近くにあった川に投げられた。

「なんで俺の周りは話を聞かねー奴ばかりなんだ?」

…そうは言うが、あんただって人の話を聞かないだろう。

真選組内では恋愛は禁止…。でも、誰かに想いを抱くのは勝手だ。

…旦那、きっと俺ァ、あんたが…好きなんだろう。

さっき、旦那にクリソツのガキを見て動揺したのも…多分好きだから。

「…は、はは…今更気付くのかよ…」

叶わない想いに沖田は一粒だけ涙を零した。








―end―




あとがき


初めての銀沖でした。
銀魂第七十七訓『ミルクは人肌の温度で』を読んで思いつきました。ここでは沖田があの赤ん坊が銀さんの子供だと誤解してる訳です。まぁ、直ぐその誤解も解けますが…(笑)

長くなりました。
ここまで読んで下さった方、有り難う御座いました!!
 

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