BL 短編

□ゲーム
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「総悟ー!ゲームするアル」

クラスメイトである神楽が妙な事を言い出した。

「あぁ?ゲーム?」

俺は耳に付けているイヤホンを片方だけ外した。

「そう、ゲームネ!その名も“ポッキーゲーム"!」

「……はぁ?」

神楽の言っている事が理解出来なかった。
ポッキーゲームって何だよ。しかも、“するアル"って言ったから強制的かよ。
意味分かんねー。

「…ルールは?」

そう聞くと、神楽の目が輝いた。

「ポッキーを両端からくわえて、食べていくアル。んで、3cm残す。行き過ぎたらちゅーしちゃうから、気を付けるアルナ!」

超アホらしーゲーム。
こんなのやりたいのかよ、コイツは。

「…3cm…な。簡単じゃねーか」

「目を開けてしたってつまらないアルから、目瞑ってするアル!」

はぁ?
そしたら、分からねーじゃねェか。

「勘でするアル!じゃ、Let's play!」

あー…英語話せんだー…とか、ぼんやり考えてたら、口の中にポッキーを突っ込んできた。

「んぐっ」

「じゃ、始めるアルヨ!」

スタートの合図をして、神楽も俺がくわえてるのとは逆の方を口に含む。俺が先にポッキーを含んだからデコレーションのチョコが溶け始めていた。

神楽が目を瞑ったから、俺も慌てて瞑る。

ポキポキポキ…ッ

ゆっくりポッキーを折っていく。
そろそろか…と思い、薄目を開けて確認する。
神楽の顔が目の前にあって、ドキッとした。肌白くて、綺麗で…不覚にも可愛い…と思ってしまった。

気付いたら、手が神楽の頬を挟んでいた。そして…ルールなんか無視して、神楽の唇に自分のそれを重ねた。

「んぅ…っ!?」

神楽は驚いて、目を見開く。目の前は蜂蜜色の髪が広がっていた。

2、3秒して、唇が離れる。

「ぷはっ…な、何してんだオマエェェェッ!!?」

神楽は顔を真っ赤にして、沖田に問う。

「…ホーント、俺ァ何してんだァ」

「此方の台詞アル!!した本人が一番に驚くなヨ!!」

「…お前がドアップで目の前に居たから…」

「なっ!それが理由アルか!?」

真っ赤だった顔が薄まっていく。
神楽はバシッと沖田の頬を叩いた。叩かれた理由が分からない沖田は神楽を見た。神楽は涙目で…最低アル!!と、叫んで教室を出ていった。

また、不覚にも可愛いと思ってしまった。アイツでも、泣く事あるんだな…と思った。

一つ、ため息を吐いて、自分のと神楽の鞄を抱えて教室を後にした。

これがきっかけで2人が付き合い始めるのはまた別の話。

一つ言える事は…ゲームでキスはしないこった。相手を怒らせるだけだからな。







end
 

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