BL 短編
□紫
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「ベルセンパイってー欲求不満なんですかー?」
「………………はぁ?」
突然、意味の解らない事を言い出したカエルことフラン。
「だってそうでしょー?いっつも紫の服ばっかだし。他に赤とか緑だって持ってる癖に大半は紫ですよねー」
いや…紫の服を着てんのは単にこの色が好きなだけで、決して欲求不満って訳じゃない。あ…いや、多少は不満か?まぁ、それは健全な男子にとって普通だよな?
「…バッカじゃねーの?紫とか…色で欲求不満とか判断出来っかっつーの!」
「いや…元にそうなんじゃ無いですかー?最近はホント紫のボーダーばっか」
…ムカつくんだけど、糞ガエル!
―…あ、いーこと思い付いた。
ベルはフランに寄って、顔を近付ける。すると、フランの顔がみるみる内に赤くなる。
ベルは更にフランの顎に指を掛け、グイッと上向ける。
「な……っ!?」
「んー…確かに欲求不満かもな。最近、ご無沙汰だし♪」
口角を吊り上げ言うベル。
ベルの突然の行動に戸惑うフラン。
また更に顔を近付け…キスするくらい近くなった時…。
ベルは顎に掛けてない方の指をフランの額迄持ってきて…それでビシッと弾いた。
「あだっ!!」
その反動で被っていたカエルが床に落ちる。
フランは額を押さえ…涙目でベルを睨み付けた。
「何するんですかー!!ベルセンパイの阿呆ーっ!!」
「うししっ…欲求不満なのはお前の方じゃね?」
そうベルが言うと、フランは先程よりも顔を赤くした。
「〜〜〜〜…っ
うっ、煩いっ!!」
そう叫んで、フランは談話室を勢いよく閉めて出ていった。
一人残されたベルはまた『うししっ』と笑った。
「やっぱ、アイツからかうの面白れ〜!…つか、王子が欲求不満な訳無いし?」
したい時は幾らだって人要るから困んないし?うししっ!
「…さぁてと…カエルを放っていったバカに届けて…一発やってやろーか」
また口角を吊り上げて、フランの所に行く為にカエルの被り物を持って、談話室を後にした―…。
END
微妙に甘かった…かな?
何か知らないけど、紫は欲求不満らしいですよ。何でですかねー?(苦笑)
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