BL 短編

□私だけ。。。
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「よー」

ベルは手を上げて言った。

「“よー"じゃないですよー。遅いですー、先輩」
「20分遅刻だぞ、ベル。何をしていた」
「うっせームッツリ。寝てたんだよ」

そう言ってベルはふわぁ、と欠伸をした。…ベル先輩らしい、とフランは思った。何回も遅刻する人じゃないけど…まぁ、これで揃ったしようやく目的地に行ける訳だ。

「大分待ってたんだろ?電話してくれりゃ良かったのにー」
「あ…そうすれば良かった」

今更そう思っても遅いのだが。

「でも、私達ベルちゃんのケータイ番号知らないわよー。ベルちゃん、ケータイしか持ってないんでしょ?」

…………え?
フランは疑問に思った。
ミーはベル先輩に教えて貰ったのに?

「ん?そうだっけ?」
「そうよ、教えといてよね」
「無線機で十分じゃね?ししっ」
「任務の時どうする気ー?」
「そん時は遅刻しねーよ」

そんなやり取りをしながら、レストランへ向かう。
ベルはフランの横に並んで、小声で言う。

「おい、オレの番号、お前だけにしか教えてねーから、他の奴に教えんなよ」
「……何でミーだけ……?」

ベルはニヤッと笑い、「そのうち分かる」と、意味深な発言をした。

「……って、お前ーオレが被せたヤツ取んなって言っただろーが」
「街の中じゃ流石に恥ずかしいですよー」

ベルはチッと舌打ちした。
その後は無言のままで目的地まで歩いた。




――ミーだけに、番号教えてくれるって……ベル先輩少し期待してもいいですかー?
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