BL 短編

□風邪←看病
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「あーもう…最悪…」

只今俺は高熱で布団の中。
風邪引いたのは、あの女のせいだ。
昨日、街の見回りをしていたところ万事屋の娘、神楽に戦闘を申し込まれた。
その場所が橋の上で下は川。そこで小一時間程戦闘していた。

「っ!てめぇ!」

丈夫な橋を壊し、川へとドブーンッと転落した。

「へっ!してやったアル!」

と、自信満々に言うが…橋は半壊、勿論奴も転落している。

俺は神楽の頭を掴み、グイッと水に沈める。

「ばーか、オメーも落ちてんじゃねェか。ばかだろ、オメーばかだろ」

「もがっ、ばか言うな!このばかっ!」

「てめぇも言ってんじゃねェか」

「私はお前よりばかじゃないアル!」

川の中でだろうと戦闘を続ける。

「くォォォォら!!総悟ォォッ!!」

「神楽っ!お前、何やってんだよ!!」


「げっ、土方さんだ」

「銀ちゃん!」

お互い、上司の姿が見えこの戦闘は中止した。

「ちっ、今日の所は引き分けにしといてやらァ」

「それは此方の台詞アルッ!!」

ハァ〜〜〜〜…
イチイチ突っ掛かりやがって、マジムカつく。

でも……

「くぉらぁ!仕事ほったらかしして、何遊んでんだ!」

「うるせー土方」


「神楽っ!びしょ濡れじゃねェか!風邪引くぞ!」

「大丈夫アルよ、私頑丈だから」

最後に横目でチラリと見て、その場を後にする。


「あ、そうご!!」

呼ばれ、振り返る。
奴が名前を知っている事に少し驚いた。

「次こそ決着つけてやるからナ!覚えてろよ!じゃあナっ!」

そう言って、奴は背を向けて帰っていった。

名前…初めて呼ばれた気ィするな。俺も奴の名前くらい知ってるけど…。

“神楽"

…なんて、ぜってー呼ばねェけどな。
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